【完結】カルティナ姫と三人の王子〜目が覚めたら婚約者が三人いました〜


「おはようございます、カルティナ姫」

「お、おはようマロミさん」

 数日後の朝、そのキスの夢で起きた私に、マロミさんはいつも通りに挨拶をする。

「姫?どうかされました?」

 何かに気付いたマロミさんに、わたしにそう問いかけてくる。

「え? な、何が?」

「顔が赤いですよ?」

「えっ!?」

 う、ウソ!? 顔赤い!?

「本当? やだっ……」

 もう、きっとあんな夢を見たせいだわ!

「何かいい夢でも見たんですか?」

「え? そ、そんなことないわ!」

 あんな夢を見たら、恥ずかしくなるに決まってるわ!

「あら、そうですか?」

「え、ええ。 何でもないわ」

 朝からあんな夢見るなんて、わたしってばまさか変態なのかしら!? 

「そうですか。 朝食が出来ておりますが、食べられますか?」

「ええ、頂くわ」

「ではすぐにお持ちしますね」

「ありがとう」

 マロミさんが朝食を用意してくれている間、わたしは顔を洗い、食堂へと戻った。

「お待たせしました、姫様。 本日の朝食は、エッグベネディクトとトーストでございます」

「うわ、美味しそう〜」
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