【完結】カルティナ姫と三人の王子〜目が覚めたら婚約者が三人いました〜


 二人でバスに乗り込むと、隣同士並んで座って目的地を目指す。

「姫、お店までは後どのくらいですか?」

「そうですね。……後十分くらいですかね?」

「そうですか」

 アレンさんはバスの中でも、やはり目立っている。 同じバスに乗っている子たちは、アレンさんを見ながら何かヒソヒソと話をしている。
 アレンさんのことばかり、視線に入るのだろう。

「カルティナ姫は、確かご兄弟はいらっしゃるんですよね?」
 
 今度はアレンさんから、そう問いかけられる。

「はい、六個上の兄がいます。 兄はプロの音楽家で、世界中飛び回ってコンサートをしたり色んな所で演奏をしています」

 兄は忙しくて滅多にレイリア王国に帰ってこないから、もう何年も会っていないけど、兄の活躍は度々新聞や記事で見かけることがある。

「へぇ。音楽家さんなんですか」

「はい、プロのピアニストなんです。たまにオーケストラとコラボして、演奏したりもしています」

 わたしにとって兄は、とても自慢出来る人だ。兄はわたしたち家族にとって誇りで、とても優秀な人だ。
 お父様も兄のことは、すごく認めている。
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