【完結】カルティナ姫と三人の王子〜目が覚めたら婚約者が三人いました〜
わたしと結婚しても、幸せになれるのかも分からないから、ちょっとした不安はある。
「いえ……何でもないです。変なことを聞いてすみません」
「お気になさらず、カルティナ姫」
優しく微笑んでくれるアレンさんの笑顔に、わたしはちょっと安心感を覚えた。
「ミートパイを食べた後は、何をしたいですか?カルティナ姫」
そう聞かれて考え込んでしまうわたしに、アレンさんは「ミートパイを食べながら、ゆっくり考えておいてください」と言ってくれる。
「はい。分かりました」
アレンさんの優しさに、わたしは嬉しさを覚えた。
「お待たせいたしました、ミートパイです」
それから数分して、焼きたてのミートパイが目の前のテーブルに置かれる。
「美味しそうですね」
「はい。美味しそうです」
焼き立てのパイのいい香りがいっぱいに広がると、ワクワクする。
「では、早速頂いてもいいですか?」
「どうぞ」
「では、頂きます」
アレンさんはフォークを手に持ち、サクサクのパイにフォークを入れた。
「サクサクと、いい音がしますね」
「はい。美味しそうです」