【完結】カルティナ姫と三人の王子〜目が覚めたら婚約者が三人いました〜
アレンさんは嬉しそうに微笑んでいる。
「では、一口」
アレンさんはミートパイを一口、口に頬張った。
「ん……!?」
すると、パイを一口食べたアレンさんの表情が変わった。
「……どう、ですか?」
と恐る恐る聞いてみると、アレンさんは「美味しいです。……なんだか懐かしい、味がします」と言っていた。
「懐かしい……味ですか?」
「はい。ヨーラ国で食べるミートパイの味と、どこか似ています。 なんていうか、すごく食べ馴染みのある味というか……」
アレンさんの表情は、とても驚いているように見える。
「あなたもしかして、ヨーラ国の出身なの?」
するとそこにいた女性の店員さんが、アレンさんに向かってそう言い出した。
「え?……あ、はい。そうですが?」
「やっぱりそうなんだ! わたしもね、ヨーラ国の出身なのよ!」
「えっ、そうなんですか!?」
その言葉に、わたしもアレンさんも驚いてしまった。
「そうだったんですか。 あなたも、ヨーラ国の出身なんですか」
「はい。わたしも今の旦那と結婚して、レイリア王国に来たのよ」
と、店員さんは嬉しそうに言った。