【完結】カルティナ姫と三人の王子〜目が覚めたら婚約者が三人いました〜


「マロミさん、こっちのセッティングも終わったわ」 

「ありがとうございます」

 食事会の準備でテーブルのセッティングを終えたわたしは、マロミさんの手伝いで料理の手伝いもした。

「食事の用意も手伝うわね」

「ありがとうございます」

 広々としたキッチンで料理の支度をするマロミさんに、わたしは「あの、マロミさん。わたしね、作りたいものがあるんだけど……」と声をかける。

「作りたいもの、ですか?」

「うん。 チーズケーキを作りたいのだけど」

「チーズケーキ?」

 カルナさんがチーズケーキが好きだと言っていたのを思い出したわたしは、カルナさんやみんなのためにチーズケーキを作りたいと思った。
 少しでも喜んでもらいたくて、挑戦してみたいと思った。

「うん。婚約者の一人が、チーズケーキが好きみたいで……作ってあげたいなって思って」

「そうですか。 姫は優しいのですね」

 マロミさんは玉ねぎをみじん切りにしながら、嬉しそうに微笑んでいた。  

「そ、そう……かな?」

「ええ。婚約者様のために好物を作ってあげたいなんて、素敵なことですよ? さすが姫ですね」
< 60 / 164 >

この作品をシェア

pagetop