嘘と、恋。

康生さんが連れて来てくれたのは、
有名な遊園地。


この遊園地には、日本で一二を争うような恐いジェットコースターや最新の絶叫マシーンが数多あり、
全国から人が沢山訪れている。



「私、ジェットコースター乗った事ないんですよね」


車を専用パーキングに停めて、窓口でチケットを買い、ゲートを潜り。


現れた、園内を一週するような長いジェットコースターのレール。



「え、もしかして苦手だった?
あー、やっぱりディズニーにすれば良かったかなぁ」


それを聞いて、ミッキーの耳飾りを付けている康生さんを想像したけど。

けっこう似合いそう。



「いえ。
ジェットコースターって一回乗ってみたかったので、いいですよ」


「そう?良かった。
じゃあ、一回とは言わずに何度も乗ろう。
フリーパスだし、乗らないと損だから」


そういえば、腕に輪っかのようなものを巻かれたな。


康生さんは、右手で私の左手を握り、
半ば走るように歩き出す。


そうやって楽しそうな康生さんに釣られて、私も足取りが軽くなった。

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