嘘と、恋。
生まれて初めて乗ったジェットコースターは、気絶寸前の怖さだった。
降りた後、足がガクガクと震えて歩けない程だった。
「まりあちゃん、大丈夫?
一発目からちょっと飛ばし過ぎたね」
康生さんに介助され、降り口近くのベンチへと座らされた。
「ありがとうございます…」
本当に怖かったな、と今も目に涙が浮かぶ。
「あ、そうだ。
昼食べてないね。俺そこの売店で何か買って来る」
そう言って、康生さんはその売店に行き、
暫くすると、ホットドッグを二つ手に持ち、戻って来た。
「はい」
と、私の横に座ると、紙に包まれたホットドッグを一つ私に手渡してくれた。
ほんのり温かくて、その包装を開いてそれにかじりついた。
「けっこう美味しいね、これ」
同じように一口食べた康生さんが、先にそう口にした。
「はい」
そう言って、二口目を食べた。
「そういえば、俺、朝食べないし昼もいつも遅いから気にしてなかったけど。
こんな時間迄何も食べないで、まりあちゃんお腹空いてたよね?」
今は、多分、昼の3時くらいかな。
「いえ。私も朝食べないですし。
わりと、食べなくても平気なので」
「もっと食べないと。
よし。俺が頑張ってもっとまりあちゃん太らせよう」
そういえば、康生さんには一度、
私は食が細いから痩せているって言われたっけ。
もっと、太った方がいいって。