離婚しましたが、新しい恋が始まりました
一時間程して里華の呼吸や脈拍が落ち着いてきた頃に、夜間受付に走ってくる貴洋の姿が見えた。やはり、彼の妻だった。貴洋の服や髪は乱れいたので、かなり急いで来た様子だ。
「すみません、秦野です。妻がこちらに搬送されて……」
紬希はERから出て、彼の前に進み出た。
「奥様はこちらです」
「紬希……」
貴洋を病室へ案内すると、妻の里華はうっすらと目を開けたところだった。
「あ、気がつかれましたか?ご気分はいかがでしょうか?」
紬希が声をかけると、里華はカッと大きく目を開けた。
「どうして、あなたがここにいるの?」
「は?」
「側にこないでっ!」