離婚しましたが、新しい恋が始まりました
さっそく料理をパクパクと口に運んでいたら、目の前の童顔の男性から話しかけられた。
「美味しいですか?、この生ハム」
「ええ、とっても」
「そうでしょうね、たくさん召し上がっているから」
「あ、わかります?」
(この人は桂木陸斗といったけ……)
30代にしては幼く見える、人懐こい笑顔を浮かべている。小学校で教えているなら子供たちに好かれそうだ。紬希の同僚たちは、それぞれ銀行マンや証券マンをロックオンしたらしく二人は自然に話すようになっていた。
「こっちのスペイン風のオムレツもお勧めですよ」
「あ、ほんと。中のジャガイモがカリカリで周りはふっくら焼けてる」
誰かとお喋りしながら美味しい料理を食べるのは楽しかった。一人暮らしには慣れても一人で食事するのは味気ないものだ。
盛り上がってきた時、個室にもう一人男性が案内されてきた。
「悪い、遅くなった」
背の高い、姿勢の良い男性が入って来た。カジュアルなジャケット姿だが筋肉質なのがよくわかる。何よりキリっと太めの眉と襟足だけを短く刈り込んだツーブロックヘアが似合っていて、とても印象的な人だった。
「遅いぞ~、光宗」
「一時間の遅刻だ~」
「悪い悪い、野暮用があって」