離婚しましたが、新しい恋が始まりました


「あの……」

「K大の絹田(きぬた)教授から、今日はこちらへ来るようにと言われてたんだが」
「え?絹田先生から?」

絹田も亡くなった父の友人だったが、今日は欠席と聞いている。

(ああそうか。結衣の夫候補に選ばれたのか)

紬希は納得した。逸子が独身の医師を紹介してくれと頼んだのだろう。光宗は先日も合コンに参加していたくらいだから、結婚相手を探している最中なのかもしれない。

「どうぞ、お上がり下さい」


光宗磐の結婚相手に結衣が相応しいとは思えなかったが、紬希はにこやかに彼を案内した。



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