離婚しましたが、新しい恋が始まりました


ただ、それだけの出会いだったのに、再会したとたん彼女に聞いてしまった。

『俺がわからないのか?』

理性では彼女が覚えているはずないとは思ったが、自分の事が記憶に残っていてくれたらと期待していたのだ。


 結婚式の翌月から磐は念願だった人工透析の先進機器を学ぶためにドイツへ留学していた。
秦野とは同期というだけで交流も無いし、ドイツと日本に離れたらもう彼女と会う事は無いだろうと思っていた。

だが、帰国して三島総合病院へ新任の挨拶に行ったら、ERでキビキビと働く女性に目がとまった。それが紬希だと気がついた時の嬉しさ。何故か彼女は秦野とは名乗らずに働いていた。

おまけに次に会ったのは合コンだ。どうして人妻が合コンに出席しているのか不思議に思っていたら、秦野とは離婚したようだ。やはりと思った。誰だって妻と恋人の二股男となんてやってられないだろう。

磐は、彼女との距離がぐんと近くなった気がしていた。

< 42 / 113 >

この作品をシェア

pagetop