今日もあなたと笑いたい
〜1年目~

私は小学校の友達とは別れ、家から少し遠い中学校へ通っていた。
部活に入って友達もたくさん増えて、先輩とも仲が良くて、成績は良くないけれど充実した毎日を過ごしていた。

「あーあ、彼氏欲しいなー」
部活終わりそう呟いたのは、同級生の松平瑠衣。
中学生になるとみんな大人っぽくなって、彼氏がいる子もたくさんいる。私だって彼氏が欲しい。付き合ってみたい。でも好きな人すら出来たことのない私にはまだまだ遠い話だった。
「はいはい。そんなん言う暇あったらはよ片付けて帰ろ。先輩待ってるで?」
私たちは仲が良くて、普段の学校生活も一緒にすごしている。帰りはいつも私たち2人と2年生の琴さん、美香さんの4人で帰っていた。
だらだら片付けを終わらせて自転車置き場へ向かった。
「おそいぞー!!」
怒ったふりをして叫ぶ琴さんと美香さんの元へ走ると、知らない男子生徒が2人いた。名札の色的に2年生だろう。
「今日バスケ部の2人も一緒に帰るから!」
と元気に言う琴さんの言葉に、「あ、はい。」と返事をすると6人で自転車を走らした。
車がやっと1台通れるぐらい細い道を2列になって帰る。最後尾の私の隣には知らない先輩。前は4人で盛り上がっており、私たち2人は沈黙。気まづい状態が10分続いている。
ちらっと彼の横顔を見た。白い肌、切れ長で一重の目。鼻は高めでまるで韓国ドラマの俳優のような顔をしていた。そんな彼に見とれていると
「名前なんて言うん?」
と急に声をかけられ、びっくりしてパッと目を離した。
「あ、えっと、なごみです。」
「なごみ?練習中になごって聞こえんの君かー。」
不思議な人。それから彼は一言も喋らなかった。私も喋らなかった。むしろ喋れなかった。私が先輩を好きになりはじたのはきっとこの頃からだろう。
…それから毎日私たちは一緒に帰るようになった。





〜2年目〜
先輩は学校ですれ違う時も私に必ず気づいてくれ

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