お館様の番選び
「あー。」
腕の中にいる赤ちゃんが起きてその小さな手を一生懸命陽様の方へと伸ばしている。
私は陽様に近づき、陽様の手に赤ちゃんの手を触れさせた。
陽様がはっと顔を上げる。
「あー。」
…よく似た琥珀色の目と目が会う。
「…陽…様…元気…出して…って言ってる…んだよ。」
赤ちゃんが笑った。
……それからわたしと朧は陽様に繭さんの様子をかわるがわる話した。
この数日、陽様の父親であるお館様の力や明叔父さんの治療のおかげもあって、少しずつだが繭さんと話が出来るようになってきていた。
明叔父さんを旦那さんだと思って幸せそうに話すその内容は、「陽くん」という女の子みたいな可愛い男の子がよく登場する。
最初に赤ちゃんが出来たと分かったときは、陽くんみたいな可愛らしい子供だったらいいなぁと思っていたと聞いた。
…そして…生まれてきた赤ちゃんに「陽くん」から一文字もらって「陽人(はると)」って名前をつけたいと思っているがどうかと明叔父さんに真剣に相談していた。
…わたしたちが繭さんから聞いたこと全てを一言一句間違いないよう話し続けた。
腕の中にいる赤ちゃんが起きてその小さな手を一生懸命陽様の方へと伸ばしている。
私は陽様に近づき、陽様の手に赤ちゃんの手を触れさせた。
陽様がはっと顔を上げる。
「あー。」
…よく似た琥珀色の目と目が会う。
「…陽…様…元気…出して…って言ってる…んだよ。」
赤ちゃんが笑った。
……それからわたしと朧は陽様に繭さんの様子をかわるがわる話した。
この数日、陽様の父親であるお館様の力や明叔父さんの治療のおかげもあって、少しずつだが繭さんと話が出来るようになってきていた。
明叔父さんを旦那さんだと思って幸せそうに話すその内容は、「陽くん」という女の子みたいな可愛い男の子がよく登場する。
最初に赤ちゃんが出来たと分かったときは、陽くんみたいな可愛らしい子供だったらいいなぁと思っていたと聞いた。
…そして…生まれてきた赤ちゃんに「陽くん」から一文字もらって「陽人(はると)」って名前をつけたいと思っているがどうかと明叔父さんに真剣に相談していた。
…わたしたちが繭さんから聞いたこと全てを一言一句間違いないよう話し続けた。