ただ、まっすぐ君を想う。

凰ちゃんの夕飯を買って

私のスイーツを買って

コンビニを出た



また自然と

手が繋がれて



ふたりで歩いた



繋がれたまま

凰ちゃんの家に入った



まだ一緒にいても

いんだ



「あ、雛のママに連絡しなきゃか…
夕飯待ってるだろ」



「大丈夫だよ
友達と遊びに行くと
いつも先に食べてるから…」



「じゃあ、ちょっとだけ
はい、雛の…」



凰ちゃんがネクタイを緩めながら

私のスイーツを取ってくれた



カッコいい



ネクタイとか

腕時計とか

大人のアイテムだ



「ありがと…」



「ホントに甘いの好きなんだな
雛、幸せそうな顔してる
そんな顔見れるなら
いくらでも買ってやる」



違うよ

凰ちゃんがカッコいいからだよ



「いただきます」



リビングのフカフカのソファーに座って

スイーツを食べる



お姫様みたい





コンビニスイーツだけど



クリームをたっぷりすくって

口に入れた



うん、おいしい♡

たしかに甘いの好きだけど…



ん?



凰ちゃんの視線が気になる



「凰ちゃんも食べたいの?
あ、お腹空いたよね」



「イヤ…
雛がかわいいな…って思って…」



この至近距離で

スーツの凰ちゃんに言われたら



心肺停止寸前



「おいしいよ♡
凰ちゃん、また買ってね」



悟られないように

またスプーンを口にした



「どんな味?」



「ん?」



スプーンですくって

凰ちゃんにあげようとしたら



ーーー



キスされた



「雛、甘い…」



停止しそうになった心臓に

一気に血液が注がれる



凰ちゃん

ドキドキしすぎて

ダメだ



「凰ちゃんも、一緒に食べようよ」



キスがなかったみたいに

ごまかした



付き合ってるんだから

きっとこれから

こんなこといっぱいある



慣れていかなきゃ!



「雛がいい…」



ーーー



クリームがたっぷりのったスプーンが

床に落ちた



ーーー

ーーーーー



「ん…凰ちゃん…」



甘いクリームの味に

凰ちゃんの味が混ざる



私が好きなのは

甘い甘いスイーツよりも

凰ちゃんだよ



「雛…」



ーーーーー

ーーーーー



凰ちゃん

熱い



凰ちゃん

いつもの凰ちゃんと

なんか違う



スーツだからかな?



ーーー

ーーー

ーーーーー



凰ちゃん

いつものキスと

なんか違う



凰ちゃんのキスが

首元におりた



「ん…」



ドキドキして

変な声出ちゃう



「雛、甘い…」



私の首元を舐めて

凰ちゃんが言った



「凰ちゃん、そこクリームついてないよ」



「雛、かわいい…」



凰ちゃんの吐息が首元にかかる



凰ちゃんに

耳元で囁かれたら…



「ん…凰ちゃん、好き…

はぁ…凰ちゃんが、いい…」





おかしくなっちゃうよ



凰ちゃんが私の首を舐めるから

凰ちゃんの耳にキスした



ーーー

ーーー



制服から出てる私の脚を

凰ちゃんの手がなぞった



全身が熱くなる



「凰ちゃん…」



凰ちゃんの手が

カーディガンの中に入る



ブラウスの上から

私のドキドキしてる胸を包んだ



ソファーが揺れた



え、今?

こーゆーことって

突然始まるんだ



凰ちゃん

まだ私

準備が…



「雛…好き…」



凰ちゃんの甘い声が

耳を撫でる



「凰ちゃん…私も好き…」



ーーー

ーーーーー



準備とか

どぉでもいい



凰ちゃんが

好きって言ってくれてる



優しいキスがおちるたび

胸がキュンて音を立てる



胸に当たる凰ちゃんの手が

私を求めてくれてる



でも



今日どんな下着だったっけ?



あの下着つけてないや…



ーーーーー

ーーー



ヤバい



イチゴのパンツだった気がする



「あ…凰ちゃん…」



身体が強張った



凰ちゃんの手が止まって

温もりがゆっくり私から離れた



ん…?

凰ちゃん?



目を開けたら

凰ちゃんが

私の髪を撫でてくれた



バレた

凰ちゃんに



イチゴのパンツ



やっぱり

イチゴはダメだよね



「ごめん…凰ちゃん…」



「イヤ…ごめん…
雛がかわいくて、我慢できなかった

制服のリボン見たら
なんかスゲー悪い事してるみたいで…

やっぱり雛が卒業するまで待つわ

卒業したら、しよ…」



待ってるのは

私だけじゃなかったんだ



目の前にいる凰ちゃんが

マテ!をされてるワンちゃんみたいで

かわいかった



「うん、しよ…」



「あー…雛、かわいい…」



ーー

ーー



また軽く

キスしてくれた



「凰ちゃん、くすぐったいよ」



「あー、オレ何やってんだろ
しかも、こんなところで…」



床に溢れたクリームを

凰ちゃんが拭いた



ホントだ

気付いたら

凰ちゃんの家のリビングだった



「ごめん
またスイーツ買ってあげるから…」



「うん
凰ちゃん、お腹空いたでしょ」



「空いたわ!
ずっと飢えてる」



「凰ちゃん
ワンちゃんみたいでかわいいよ♡」



後ろから凰ちゃんに

抱きついた



「大人をバカにしない!
雛、早く大人になってよ」



「うん、ごめんね…
凰ちゃん、私のパンツ見えた?」



「見てないわ!」



「ならよかった」



「なに?見せてくれるの?」



「ヤダ、見せない!」



「女子高生のパンツ見せてとか
オレ、変態じゃん」



凰ちゃんの大きい背中が

小さく丸まった



大好き

凰ちゃん



大好きな背中



小さい時

おんぶしてもらったことあったっけ…



「あー…もぉ…これ以上誘惑すんな」



凰ちゃんの肩にまわしてた腕に

噛みつかれた



「ちょっと、凰ちゃん噛まないでよ!」



「どーせ、犬だし…」



「凰ちゃん、イジけた?」



「雛ちょっと背中からおりて…」



「ごめん、重かった?」



「背中に、胸当たってる
胸だけ大人になるとか
雛、ズルいな…」



「もぉ…凰ちゃんそんなこと言ってないで
早くご飯食べなよ!」



「はい、はい…
腹減りすぎて
雛がおいしそうに見える」



ーーー



またキスされた



動揺して隙を見せてしまった



凰ちゃん

私だって

早く大人になりたいよ



< 140 / 154 >

この作品をシェア

pagetop