きみの笑顔は、季節外れの太陽のようで
「次、シュート練習!」

キャプテンの声が体育館に響き渡る。

かごからボールを持ち出すと、ゴール前にいる二、三人の後ろに並ぶ。

“私はね、シュートが決まる瞬間、一番好きだな”

そういえば、試合を見に来てくれた日、高橋ははみかみながら教えてくれたな。

俺がバスケを好きになったきっかけと、高橋がバスケを“好き”と思ってくれた瞬間が一緒で、すごい嬉しかった。運命なんかな、とさえ思った。

また、試合見に来てほしいな。次はもっといっぱいシュート決めて、喜ばせたいな。

けど、きっともう来てくれへんねやろうな。だってもう。

“もう関わらないで”

あいつの言葉が脳内で勝手に再生されると同時に、視界がぐにゃりと歪んだ。

「おい! 宮本!」

誰かが大声で俺の名前を呼ぶ。

けれどそれは高橋じゃない。もう高橋は俺の名前なんてー…。

     *
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