きみの笑顔は、季節外れの太陽のようで
最後まで接戦だった。
しかし、最後の二分で、負けていた相手チームが怒涛の追い上げを見せると、あっという間に点差をつけられ、私たちの学校は負けてしまった。
三年生にとっては、これが引退試合になるのだろう。応援席へ終わりの挨拶に行く多くの選手が泣き崩れている。
そんな中、宮本くんは、ただ呆然とした様子で、応援席を眺めていた。
「高橋!!」
きっと今日はそっとしておいてほしいだろうな。
選手たちが会場を出てくるよりもずっと前に体育館を出た私を、誰かが呼びかける。
――誰か、なんて、とっくに気づいているけれど。
「宮本くん……」
まだユニフォーム姿の彼は、肩で息をしていた。
「私が来ていたこと……気づいていたの?」
「うん……佐々木が見つけて教えてくれた」
そうだったんだ。
応援席にいなかったし、全くこっちをみないから気づいていないかと思っていた。
「ありがとう。来てくれて」
負けてしもたけど、と彼は俯いた。
「けど……かっこよかったよ」
彼の目を真っ直ぐ見て伝える。
どうか、この気持ちが届くように、と祈りながら。
「一番かっこよかった」
一番かっこよくて、それで、
「好きだな、って思った」
言葉に出した瞬間、自分の顔がカッと熱くなったのがわかった。
けれど、それでも、伝えたかった。だって私。
「好きだよ、宮本くん」
この気持ちは、本物だから。
しかし、最後の二分で、負けていた相手チームが怒涛の追い上げを見せると、あっという間に点差をつけられ、私たちの学校は負けてしまった。
三年生にとっては、これが引退試合になるのだろう。応援席へ終わりの挨拶に行く多くの選手が泣き崩れている。
そんな中、宮本くんは、ただ呆然とした様子で、応援席を眺めていた。
「高橋!!」
きっと今日はそっとしておいてほしいだろうな。
選手たちが会場を出てくるよりもずっと前に体育館を出た私を、誰かが呼びかける。
――誰か、なんて、とっくに気づいているけれど。
「宮本くん……」
まだユニフォーム姿の彼は、肩で息をしていた。
「私が来ていたこと……気づいていたの?」
「うん……佐々木が見つけて教えてくれた」
そうだったんだ。
応援席にいなかったし、全くこっちをみないから気づいていないかと思っていた。
「ありがとう。来てくれて」
負けてしもたけど、と彼は俯いた。
「けど……かっこよかったよ」
彼の目を真っ直ぐ見て伝える。
どうか、この気持ちが届くように、と祈りながら。
「一番かっこよかった」
一番かっこよくて、それで、
「好きだな、って思った」
言葉に出した瞬間、自分の顔がカッと熱くなったのがわかった。
けれど、それでも、伝えたかった。だって私。
「好きだよ、宮本くん」
この気持ちは、本物だから。