きみの笑顔は、季節外れの太陽のようで
「宇山くん?」

鈴ちゃんが横から画面をのぞき込む。

「あ、うん。部活終わった、って」

「それなら帰る準備しよっか!」

まだ話の途中だったはずなのに、鈴ちゃんは自分の席へ戻り、机の上に置いていた私物をカバンの中に片付け始めた。

「けど、まだデートの話全部聞いていないし……今日は、悠斗と別々に帰ろうかな」

悠斗と一緒に帰りたい。
けれど、鈴ちゃんの話ももっと聞きたい。

うーん、どうしよう。

悩む私を見て、鈴ちゃんはケラケラ笑った。

「デートの話はまた明日聞いてよ。それに元々は、部活終わりの宇山くんと一緒に帰る為に残ってたんだよ?」

ほら、早く片付けて、と鈴ちゃんに急かされる。

「うーん、でも、今いいところだったのに」

「また明日朝から聞いてよ。それに、真凛のゴールデンウィーク中の話も聞きたいし、明日も放課後話さない?」

「いいの!?」

「うん、もちろん!」

「あ、でも、私、そんな話せるほど充実したゴールデンウィークじゃなかったけど」

彼氏持ちの鈴ちゃんに比べたら本当に地味だよ、と付け加えると、鈴ちゃんは「もう」と照れくさそうに笑う。
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