きみの笑顔は、季節外れの太陽のようで
「何番だった?」

先にくじを引き終え、席へ戻る鈴ちゃんに声をかける。

彼女は泣きそうな顔をして「15番……」と呟く。

「15番? 15番は……」

黒板に書きだされた座席表を見る。

「あ……」

教室ど真ん中の列の、前から2番目。
教卓に立つ先生の視界に一番入りやすい、という不人気の席。

「明日から学校休んでも良い?」

「えー…それはダメ」

次の席替えいつだろう、と嘆く鈴ちゃんに「きっとまたすぐにあるよ」と励ます。

「高橋! 次!」

「あ、うん」

委員長がくじが入った箱を左右に揺らしながら、私の名前を呼ぶ。

返事をしてから立ち上がると、少しだけ早足で教壇へのぼった。

「どうか後ろの席になりますように……」

引き終えてすぐにくじを開くと、“4”と書かれていた。

「4番は、と……」

うわ、ついてる!!

窓際の、後ろから2番目の座席。

思わず飛び跳ねそうになった自分を抑え、満面の笑みで新しい座席へ移動する。

そういえば悠斗は何番だったんだろう。

新しい座席からぐるりと教室を見回した時、隣の人を見て反射的に身構えた。

「え……」

「お前、そこ……?」

相手も「まさか」といったような顔で、私を見つめる。

< 26 / 146 >

この作品をシェア

pagetop