きみの笑顔は、季節外れの太陽のようで
“なんで? なんでそんなにも好きなん?”

俺の質問に対し、あいつははにかみながら答えた。

予想外の答えに、少し戸惑った。

絶対「かっこいいから」とか「イケメンやから」とか、そういう類の答えが返って来ると思っていたから。

それなのに。

「なんやねん」

”私のヒーロー”って、なんやねん。
”優しいから”って、なんやねん。

今まで、何度も告白されてきた。自慢じゃないけど、そこらの同級生よりも告白された回数はずっと多いと思う。

そして告白をしてくれた理由を聞くと、必ず同じ答えが返ってきた。


「かっこいいから」


俺のどこがかっこいいのか、何がかっこいいのか、伝えられたことがなかった。

でもみんながみんな同じ告白をするものだから、女子には女子が思う”かっこいい”があって、俺の何かが、その”かっこいい”にあてはまっているんかな、と思っていた。

だから当然、高橋も同じ答えを告げると思っていた。

なのに。

”悠斗は私のヒーローだから、かな。悠斗ね、私が困っていると絶対に助けてくれるんだよ”

「ああ、もう、ほんまに」

あいつの言葉が脳内に響く。

なんやねん。なんやねん。なんやねん。

無性にイライラする。

けれど、それはどうしてなのか、それは誰に対しての苛立ちなのか、体育館が見えてくるまで考えてもわからなかった。


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