きみの笑顔は、季節外れの太陽のようで
「さっさと来んと置いて……」

ピタリと立ち止まった私から何か察したのか、宮本くんは途中で口を閉じた。

「そういうこと、か」

店の窓から、なにかを購入している悠斗の姿が見えた。


「だから言ったやん……」

私の隣まで戻ってきてくれた宮本くんは、はーっと長く息を吐いた。

「そうだね」

今日は会いたくなかった。

素直に、宮本くんの言葉に従っておけばよかった。

俯いた私に、宮本くんはわざと明るい声で告げた。

「もうこれ以上立ち止まるなら、アイス買わへんで?! いいの!?」

「……それは嫌」

「ならさっさと歩け!」

グイグイと背中を押される。

「もうわかった、歩くから!! 恥ずかしいから押さないでよ!!」

「俺に反抗した罰や」

抵抗する私を面白がって、結局彼は駅の改札まで私の背中を押し続けた。
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