きみの笑顔は、季節外れの太陽のようで
「うん、いいよ。どうしたの?」

「後悔、してないん?」

何が、とは言わなかった。

けれど、彼が言いたいことは、十分すぎるくらいわかった。

「してるよ」

迷わず答えると、宮本くんは「そっか」と短く答えた。


悠斗の隣にいたいと願いながらも、彼女になりたいとは強く思えなかった。

怖かった。だってもし “カップル” になって別れてしまった時、今まで通りの関係でいられるか、わからなかったから。

今までの関係で十分だった。隣にいてくれるのであれば、どんな形でも良いと思っていた。

けれど、今となっては思う。

隣にいてほしかったのであれば、きちんと気持ちを伝えるべきだったと。

“好き”

この思いを、伝えるべきだった。

伝えたからといって、何か変わったかなんてわからないけれど。
もしかしたら、伝えることで気まずくなってしまったかもしれないけれど。

それでも、伝えることが出来なくなった今、この気持ちはどうしたら良いのだろう。

宙ぶらりんになってしまったこの気持ちは、いつか消えていくのだろうか。

この真夏の夜に食べた、アイスクリームのように。

少しずつ気持ちが溶けていって、その溶けた気持ちは、気が付けばどこかに消えてしまうのだろうか。

そんなの嫌だな、となんとなく思う。

だって、確かに私、悠斗のこと。

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