きみの笑顔は、季節外れの太陽のようで
「宮本くんは本当に私のこと好きなの?」

中学三年生の時、クラスで仲良かった女子から告白されて付き合った。

最初は楽しかった。それに嬉しかった。

こいつとの楽しい時間、これからも当たり前のように存在するんやって思えば。

告白されるまで、彼女のことを恋愛的な意味で好きだと意識したことはなかったけれど、明るくてお喋りで、話すテンポの合う彼女と一緒にいる時間は男友達といる時と同じぐらい楽しかったから。

けれど、時間が経てばたつほど、彼女からは俺に対する不満が伝えられた。

「女の子と話しすぎじゃない?」
「どうしてメッセージ返してくれないの?」
「もっと電話出来ないの?」
「また部活? 次はいつデートできるの?」

バスケは努力すればうまくなる。
けれど恋愛は?

誰かのことを大切にしたいと思っても、誰かの為に行動しても、それが報われるとは限らんし。
それ以上に、文句を言われ続けることもある。

高橋も、恋愛なんてやめればいいのに。

そしたら、あんなに辛い思い、しなくていいのに。

……けどもし恋愛を辞めたら、高橋の、思わず周りにいる人が惹かれてしまうような笑顔はもう見られへんのかな。
あの、思わず何度も思い出してしまうような温かな笑みは、もう見られへんのかな。

それでも、傷つくぐらいなら、もう誰かを好きになることはやめてほしい。あんな顔、もう見たく無い。
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