きみの笑顔は、季節外れの太陽のようで
【今日はありがとう。アイス、美味しかった】

文末にはソフトクリームの絵文字が2つ並んでる。

どんだけアイス好きやねん。そもそも今日食べたのは、ソフトクリームじゃなくてカップアイスやし。まあ、なんでもいいけど。

【どういたしまして。川に飛び込みたくなったら、ちゃんと連絡しろよ】

女子からきたメッセージに返事するのなんていつぶりやろう、と考えながら、送信ボタンを押す。

するとすぐに【今のところ大丈夫。どうせなら日曜日楽しんでからにするよ】と返ってきた。

「“どうせなら” ってなんやねん」

やっぱり飛び込む気なんか? と思いつつ、【楽しみにしておいて】と返す。

そう。これは人助け。人助けをすると自分から言い出した以上、仕方がないからあいつを精一杯楽しませてやろう。

日曜日、どこ行こうかな。家に帰ったら、姉ちゃんにオススメの遊ぶ場所でも聞こうかな。今年の四月に大学に入学して以来、頻繁に遊びに出かけれているし、それなりに有益なアドバイスくれるやろう。

あ、でもからかわれそうやな。「誰と行くの?」って。それもそれで面倒やけど、それでも高橋が笑ってくれるなら、まあいいか。自分から言い出した人助けやし、出来ることはやろう。

なんだか落ち着かなくて、いつもはダラダラ歩くのに、家まで早足で向かった。
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