きみの笑顔は、季節外れの太陽のようで
「はい、答えたから教えてよ」

「なにを?」

「だから、今日高橋と何してたの?」

「だから何もしてないって」

「えー、こっちは教えてあげたのに?」

明らかに不満そうな声が、電話越しに届く。

「コンビニでアイス買って、一緒に食っただけ」

「アイス? 宮本がおごってあげたの?」

「そうやけど」

「どうして? 高橋に意地悪でもしたの?」

「違うわ!」

今回はなにもしてへん。むしろ、励ました。あ、そっか。これは。

「人助けや。人助けをしただけ」

「人助け……?」

納得していない佐々木に、「もう切るから。また明日」とだけ伝え、いそいそと電話の終話ボタンを押す。

スマートフォンをポケットにしまおうとすると、1通のメッセージが届いていた。

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