四季の姫君
ふと見ると、結真くんも朝自習の確認のために教室へ向かったのだろう。
チョコには目もくれず、いなくなっていた。
…さすが。
彼は、こんなチョコに目をくれなくてもきっと、たくさんもらうのだろう。
「…いつも若い新人さんが買いにいかされてるけど、その風習、なくなるといいんだけどねぇ」
授業が終わり、次の選択授業まで1時間空いたので準備室でゆっくりココアを入れていた時。
後ろでコーヒーを飲んでいた田島先生が
ぽつりとつぶやいた。