四季の姫君

ちゃっかり職員室から持ってきたチョコレートを摘まみながら。


「ずっとあるんですか?」



「基本ね。多分、上が変わらないとなくならないと思うけれど」

「異動もないですしね…」




毎年新人のお仕事みたいなものだろう。


「矢野さん僕にはないの?」



「えっ、」



「…」




口をもぐもぐさせながら、にこにこ笑う田島先生にココアを作っていた手が止まる。


固まる私をみて、ははっと笑う田島先生。




「じょーだんじょーだん」




「いや、あの…ほら、いつも持ってきてるじゃないですか、お菓子…」



「まぁ・・そういえばそうか」



こうして授業の合間の休憩中や、放課後の部活終わり、個人的に絵が描きたくなったとき、残業しなきゃいけないとき。


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