四季の姫君
ブレイクタイムとしてお菓子は毎回それぞれの先生が持ってきているわけで…と言ったけれど。
ごめんなさい、それは建前で。田島先生にも渡そうかなと思ったんだけど、悩んだんだけど、
結真くんが多分、いやな顔をするだろうな…と思い。
ごめんなさい、と思いながらやり過ごす。
「僕も新人の頃は学生からもらってたんだけどねー」
「それは今もじゃないですか?」
「時々ね。でも、ほら、年々エースが出てくるじゃない?」
「エースって…」
そんな、
「あと数年はずっと彼が突っ走るだろうけどねー」
コーヒーを口へ含みながらぼんやりという田島先生。
「佐田君、今年は何個だろうね」
その言葉に、苦笑いが零れた。


