先生との恋・番外編集・


「、…手術した時の…」


言うか一瞬迷ったけれど、寝起きの頭はごまかすなんて回転できなくて。


ぽつり、素直に答えれば、

高橋は何も言わずに頭をなで始めた。






「ごめん、」






「なんで心が謝るの。大丈夫だよ」



きっと高橋は、寝てる所を起こしてしまったことに対して私が謝ったと思っているのだろう。




だけど、そうじゃない。





「今日、いろいろ入院していた時のこと思い出したりしてたから、夢に見たんだと思う」



夢の厄介なところは、事実だけじゃなくてその時感じていた気持ちまで一緒に出てきてしまうところだ。


そして、目覚めた現実にまで。




高橋は返事の代わりに頭を撫でてくれるのを続けてくれる。



あぁ、あの時はひどいことを言ったな、って。



今だから思える客観的な見方と、その時の自分の気持ちが入り混じる。


この、頭を撫でてくれている手が、抱きしめてくれているこの人が、あたしの心臓を直接直してくれたんだと思うと時々不思議な気持ちになる。

苦しみも合わせて。


「また寝れそう?」

「…たぶん」

「眠れなかったら起こしてね」



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