先生との恋・番外編集・
「うん」
「それは、どうして?」
優しく、聞いてくる高橋。
「確かに、痛いし怖いかもしれないけど…このままずっと発作が起きればそのたびに…」
「あーはいはい!いいですいいです大丈夫!」
今まで何百回も聞いたその説得。
何を言いたいか分かるあたしは喋る高橋を少し大きい声でかぶせて黙らせる。
痛いとか、怖いとか。
そういうのもあるし、しなきゃこの先苦しい思いを何回もしないといけないのも分かる。
けど、
それよりもあたしの「夢」や「理想」の方が大切なわけで。
「もういいよ、帰って帰って、」
「え、」
布団をぐいっと肩までひっぱりあげて、寝る体制に入ろうとするあたしを見て困惑する高橋。
まだ会ったばかり…の人間に、そこまで教える必要ないし。
まだ話をしたい、たぶん、あたしの気持ちを聞きたいのだろう高橋を無視して背を向け丸まったあたし。
数秒後には、カタッと立ち上がる気配。
「…これからよろしくお願いします」
「退院までお願いします」
自分でも、ツンケンした声が出たと思った。