You and I ~あるバカップルの平和な日常~
愛子にはお兄さんが二人いるが、松岡家…特にお母さんにとっては、待望の女の子だったので尚更、愛情たっぷり注がれて育ったのかれない。

「ママって一見クールでドライなのに、女の子が出来るまでは何人でも産むつもりだったみたい。ド根性だよね、あんな小柄なのに」

いつだったか、愛子はそんなことを言っていたが、3人目が可愛い女の子でよかったと思っているのは、愛子のお母さん以上に、僕のほうだろう。

「どうしたの?」

あまりにも凝視していたせいか、愛子は不思議そうに僕を見つめる。

「いや、別に。いい女に成長したと思ってただけだよ」

「ほんとにー?」

嬉しそうに笑う愛子に

「ホラ、早く宿題済ませる!」

「もう、やっぱり優等生なんだから」

別にそういう意味で言った訳ではなく、理性も取り戻したことだし、さっさと宿題を終わらせ、もう一度楽しむつもりなだけなのだが…。
< 9 / 81 >

この作品をシェア

pagetop