お見合いマリアージュ~敏腕弁護士との仮初めの夫婦生活、彼の愛は予想外でした~

~与奈side~

ついにこの日が来てしまった。
私はエレガントな雰囲気のロココ調で統一されたプライズルームで身支度を整える。

一週間前にしたプライダルエステのおかげで、肌のコンデションも良く、メイクもキレイに仕上がった。
鏡に映り込む自分がまるで別人に見えた。

「これが私?」

「お綺麗ですよ。設楽さん。新郎さんもきっと貴方の美しさに惚れ直しますよ」

惚れ直すって、瓜生さんは私の事なんて、これっぽっちも思っていない。

当初は一緒の部屋で寝ると言ったクセに結局別々の部屋で寝てるし(私は寝室、彼は書斎のソファベット)、最近はキスもしない。

今の私達は唯の同居人で、夫婦じゃない。

私は軽く溜息を付いた。

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