溺愛もふもふ甘恋同居〜記憶喪失な彼のナイショゴト〜
 掛け敷き二セットが、圧縮されていたとはいえ、ひとまとめに梱包されていたのだから重くないわけがない。

「シロネコさん、すっごい力持ち!」

 今度から通販で買ったものが届くたび、シロネコのお兄さんの二の腕の筋肉とかチェックしてしまいそうだよぅ!とニマニマした日和美(ひなみ)だ。

(けど……今はそんなことを考えている場合じゃないっ)

 日和美はフルフルと頭を振ると、ふかふかぬくぬくお布団ミッションを完遂すべく行動しなくては!と思い直した。 

「よっこらしょっ!」

 祖母が重いものを持ち上げるときはこの掛け声に限る!と教えてくれたのを忠実に守りながら、掛け布団を持ち上げてみたら、案外すんなり持ち上がった。

 ただ単に、「重い」と言う予備知識を得てそれ相応の気構えで望んだから先ほどより易々と持ち上がったに他ならないのだが、日和美は(おばあちゃん、さすがだよ!)と思って祖母を心の底から(あが)(たてまつ)る。

 実は日和美、幼い頃に母を亡くしていて父・和彦に男手ひとつで育てられた経緯を持っていた。
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