溺愛もふもふ甘恋同居〜記憶喪失な彼のナイショゴト〜
 日和美(ひなみ)は太陽光をたっぷり浴びたふかふかのぬくぬくお布団が大好きなのだ。

 うんしょ、うんしょと掛け声を掛けながら敷布団をベランダに持ち出す。

 一旦ベランダの柵に重い敷布団を立てかけてから、先に掛け布団を干そうと思い至った日和美は、「かっけぶとん〜♪」と謎の歌を口ずさみながら一旦部屋の中に戻った。

 そうして軽い気持ちで「よっ」と掛け布団を持ち上げようとして「え!?」と声を上げた。

「何これ、こっちも重いじゃん!」

 そういえばこの布団一式を持ち運んでくれた配送業者のシロネコヤマトさん、めちゃくちゃ息が上がっていた気がする、と思い至る。

 単に一階から階段を使ったからかな?とか思っていたけれど、エレベーターがあるのに大荷物を持った彼がそれを使わなかったとは考えにくいではないか。

 日和美の部屋は西側に設置された、階段にもエレベーターにも一番近い角部屋だ。

 なのに――。

「わぁ〜。めっちゃ重かったんだ」

 今更のようにそんなことに気がついた日和美だ。
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