溺愛もふもふ甘恋同居〜記憶喪失な彼のナイショゴト〜
「バーカ。痛、くなんかねぇ、よ。って言うか(っちゅーか)むしろ……」

「やぁんっ」

 そこでいきなり信武(しのぶ)に両手でガシッと胸を鷲掴(わしづか)まれた日和美(ひなみ)は、突然のことに驚いて悲鳴を上げた。

「動、かしてもいねぇのに……さっきからお前、めっちゃ締め付けてくっから。……気、持ちよすぎて、マジ、やべぇーん、だけどっ」

 ほんの少しだけ信武が腰を揺らしながら日和美の美肉の感触を楽しむみたいにゆるゆるとそこを揉みしだくから。

 信武の大きな手のひらの下。
 硬くしこった乳首が柔肉(やわにく)と一緒に押しつぶされて、どこか(じれ)ったいような感覚を日和美に伝えてくる。

「やぁっ、しの、ぶさっ、それ……」

 もどかしい……と思わず口走りそうになった日和美に、下腹部を埋める肉棒をズルリと引いた信武が、日和美の様子を(うかが)いながらゆっくりと膣壁(ないぶ)をこすりながら入り直してきた。

「んんんーっ」

 信武に熱い(くさび)穿(うが)たれたまま、隘路(あいろ)を押し広げられた状態でしばらく置かれていたからだろうか。

 信武が日和美を(いた)わるように緩やかに抽挿(ちゅうそう)を開始しても、痛みこそ感じなかった日和美だ。けれど、痛くないのと違和感を感じないのとはまた別の話。

 慣れない感触に日和美が眉根を寄せてくぐもった声を上げるのを見下ろしていた信武が、グッと身体を倒して日和美の耳元に唇を寄せてきた。

 そのせいでより一層結合が深くなるようで、日和美はギュッと目をつぶってその感触から気を逸らせようとしたのだけれど。

 視覚を閉ざすことで、残された聴覚と触覚が逆に研ぎ澄まされてしまった。

「さんは……無しで、っつっただろ?」

 言葉と一緒に信武の吐息が耳孔を(かす)めたことに過剰反応した日和美の身体がビクッと跳ねて。

「ひゃぁあ、んっ」

 それだけでは飽き足らず、思わずあられもない嬌声が漏れ出てしまった。
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