溺愛もふもふ甘恋同居〜記憶喪失な彼のナイショゴト〜
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 まさか、日和美(ひなみ)からそんな直接的な言葉でねだられるとは思っていなかった信武(しのぶ)だ。

 驚きに瞳を見開いてから、「……そうくる、とか……マジ……反則だろっ」と吐息とともに吐き出した。

 自分に余裕のある時ならば、「だったら自分で触ってみせろよ」とか意地悪く突き放して、是非とも日和美自身が自らを(なぐさ)める様をじっくり堪能させてもらいたいところだ。
 だが、さすがに信武自信が爆発寸前ともなると、そう悠長なことも言っていられそうにない。

 信武は小さく吐息を落とすと、日和美に自慰を見せてもらうのはまたの機会に繰り越そうと心に決めて。今回ばかりは彼女の要求通り、(おの)れの手のひらの下、懸命に存在を主張している日和美の先端をキュッとつまみ上げてやることにしたのだけれど。

 信武が人差し指と親指の腹で挟んで、形が変わるくらい日和美の胸の尖りを押しつぶしてやると、
「ひゃ、ああぁんっ」
 こらえ切れない嬌声とともに、日和美の膣内(なか)が胸の刺激に呼応したみたいにキュウッとうねりながら〝信武〟を締め付けてきた。

 責めているのは信武のはずなのに、危うく()かされそうになって――。
 信武は、慌てて腰を引いた。

 まだ日和美を《《なかで》》気持ちよくさせていないのに、自分だけ()かされてしまうとか、男の沽券(こけん)に関わるではないか。
 
 信武は日和美の望み通り乳首を執拗に責め立てながら、全神経を下腹部へ集中させる。

(さっき、指で探った時、こいつが気持ちよさそうにしたのは確か――)

 そんなことを思いながら、ゴム越しのどこかもどかしい感触を頼りに日和美の内部を探った。

 と、ある一点をこすった瞬間、日和美が明らかに腰をビクッと跳ねさせて逃げようとして。

 信武は心の中で『見つけた』とつぶやいた。

「あ、しの、ぶしゃっ……そこ、ダメっ。何か、変、なのっ」

 気持ちよすぎて、日和美は信武のことを呼び捨て出来ないらしい。

 だが、実際信武の方もギリギリなのだ。

 さっきまでのようにそこをいちいち取り沙汰(ざた)して日和美をいじめられるようなゆとりはない。

 日和美を()かせるのが先か、自分が達してしまうのが先か。

 信武は、出来れば前者に持ち込みたい。
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