溺愛もふもふ甘恋同居〜記憶喪失な彼のナイショゴト〜
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 今日は、風こそ少し冷たいけれど、雲ひとつない真っ青な空が広がったいいお天気。

 枕のことはともかくとして、これは届いたばかりの布団をお日様に当てなさいという天啓(てんけい)かも知れない。

 ポジティブシンキングでそんなことを思った日和美(ひなみ)は、ペッタンコに圧縮されて届いた布団の梱包にエイヤ!と切り込みを入れた。

 途端プシューッと中に空気が入って、ふわふわモコモコのお布団が!と思ったのだけれど。

「あれ?」

 思ったほど膨らまなくてガッカリしてしまう。

 テレビショッピングではもっとフワッフワに見えていたのに。

 天日干ししたら少しは変わるかも?

 そんな淡い期待を込めて布団を持ち上げたら、結構重くてよろめいた。

「何これ何これ何これぇ〜。何でこんなに重いの!」

 敷布団がやたら重い。

 それだけしっかり中身が詰まっていると言うことだろうか。
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