それでも私は、あなたがいる未来を、描きたかった。
私は、持ってきたカバンの中から1冊のノートを取り出すと、ゆっくりと開いた。
淡いピンク色の、A4のノート。

ずっと、このノートを開けることが、怖かった。

このノートを開くと、先生との思い出が蘇って、
先生が隣にいない辛さを倍増させる気がして、

先生が去ったと知ったあの日から、私はこのノートを開けずにいた。

けれどー…

“吉川がCAになる日を、楽しみにしています。吉川、頑張れ!“

先生が最後に残してくれたコメントを、そっと指でなぞる。

久しぶりにみた先生の文字は、少しの辛さと寂しさと、それ以上に、先生がずっと見守ってくれていたことを実感させてくれて、私に温かい気持ちと、前を向く勇気を与えてくれる。

そしてなによりも、先生が今、隣にいなくても、
このノートには、きちんと先生と過ごした時間が刻み込まれていて、
それが、なんだか私は、とても嬉しかった。


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