甘やかし婚 ~失恋当日、極上御曹司に求愛されました~
「では妊娠生活についてのお話をいたしますのでこちらへどうぞ」
診察を終え、助産師に案内された部屋には郁さんも一緒にやってきた。
「あの、郁さん……仕事は」
「そんなものより沙也を優先するに決まっている」
当たり前のように言い切り、彼は結局最後まで私に付き添ってくれた。
病院を出てタクシーで自宅へ戻り、タクシーを降りるやいなや私を横抱きに抱え上げる。
もう何度もされた行為なのに近すぎる距離に慣れず、どうしても鼓動が乱れる。
「郁さん! あの、私もう今は動けるから」
「ダメだ。無理をして転んだりしたらどうする。また眩暈が起こる可能性もあると言われただろう。さっきは生きた心地がしなかった……歩佳がいなかったらと思うと……」
ぎゅっと彼が私を自身の体に強く引き寄せるように抱える。
速い心音に、郁さんが心から心配してくれていたと知る。
飯野さんから私の症状を聞いた郁さんは、すぐさま響谷家に縁のある総合病院に私を運びこむ手配をし、急ぎ向かったという。
「重くない……?」
「それこそ以前から何度も言ってるが、重くない。沙也が俺の腕の中にいてくれて安心する」
さらりと返答され、頬が熱をもつ。
郁さんはそのまま自宅へと足を進め、室内に入るやいなや壊れ物を扱うかのようにそっとソファに私を座らせた。
ベッドで横になるかと尋ねられ、首を横に振る。
郁さんは着替えもせず、私に絶対安静を言い渡し、なにかあればすぐに連絡するようにと何度も確認して近所にある商業施設に出かけた。
診察を終え、助産師に案内された部屋には郁さんも一緒にやってきた。
「あの、郁さん……仕事は」
「そんなものより沙也を優先するに決まっている」
当たり前のように言い切り、彼は結局最後まで私に付き添ってくれた。
病院を出てタクシーで自宅へ戻り、タクシーを降りるやいなや私を横抱きに抱え上げる。
もう何度もされた行為なのに近すぎる距離に慣れず、どうしても鼓動が乱れる。
「郁さん! あの、私もう今は動けるから」
「ダメだ。無理をして転んだりしたらどうする。また眩暈が起こる可能性もあると言われただろう。さっきは生きた心地がしなかった……歩佳がいなかったらと思うと……」
ぎゅっと彼が私を自身の体に強く引き寄せるように抱える。
速い心音に、郁さんが心から心配してくれていたと知る。
飯野さんから私の症状を聞いた郁さんは、すぐさま響谷家に縁のある総合病院に私を運びこむ手配をし、急ぎ向かったという。
「重くない……?」
「それこそ以前から何度も言ってるが、重くない。沙也が俺の腕の中にいてくれて安心する」
さらりと返答され、頬が熱をもつ。
郁さんはそのまま自宅へと足を進め、室内に入るやいなや壊れ物を扱うかのようにそっとソファに私を座らせた。
ベッドで横になるかと尋ねられ、首を横に振る。
郁さんは着替えもせず、私に絶対安静を言い渡し、なにかあればすぐに連絡するようにと何度も確認して近所にある商業施設に出かけた。