本気の恋を、教えてやるよ。
だけど、苦しいし、こんなの馬鹿みたいだから、もう別れよう。そう言うと、慶太は絶対に嫌だという。
なんで嫌なのか訳が分からなくて、それでも別れたい、と抵抗すれば殴られた。
初めて殴られた時は衝撃だった。慶太に叩かれたことはおろか、小突かれたことすらなかったから。
あまりのショックに呆然とする私に、慶太は苦しそうな顔で「ごめん。でも、別れたくない」と懇願した。
初めは放心状態だったから、そのまま受け入れてしまって。
別れたくないなら、どうして浮気するの?どうして殴るの?
そう怒って泣き喚いて逃げ出したい気持ちも確かにあった。でも、それ以上に──。
それ以上に、殴ったその手で私を労る慶太が、すごく辛そうで。
今にも壊れて粉々になってしまうんじゃないかってくらい、弱々しかったから……。
そんな彼を、見捨てられなかった。