本気の恋を、教えてやるよ。
それからも、殴られては謝られて、縋られて、私は全てを許してしまう。
慶太を守ってあげたいと思うから。
慶太が私を必要としてくれるから。
「……筒井は、なんか言ってたの?」
不意に声を掛けられて、ぼーっとしていた意識を引き戻す。
私は、きょとりと首を傾げた。
「何かって?」
「普通、浮気現場を見られたら言い訳なりなんなりするでしょうよ」
「慶太はしないよ」
言い訳なんかしたことない。
私に見られても、それが普通だと思ってる。
私の言葉に、梓ちゃんが苦虫を百匹くらい噛み潰したような顔になる。
「……茉莉は、それでいいの?茉莉はそれで幸せなの?」
幸せか、なんて。
そんなの、考えたこともなかったなあ。
付き合った当初は、たしかに幸せだった。毎日が楽しくて、カラフルで──でも、今は?
幸せって、なんだろう。
私の幸せって、なんなんだろう……。