本気の恋を、教えてやるよ。
あー、もう、だからそういう行動の一つ一つが可愛すぎるんだって。
気を緩めるとだらしない顔になってしまいそうで、思わず真顔になってしまった。
ダメだ、からかい過ぎると自爆するから止めておこう。
「……ま、お隣同士仲良くしようぜ」
な、と稲葉に向かって笑えば、稲葉も微笑んでくれて。
穏やかで、満たされるような時間が過ぎていく。
それはあまりにも、甘く優しい一時だったから。
ずっとこのまま、バスが止まらなければいいのに、なんて思ったんだ。
「な〜、楽斗〜!帰り軽く一杯やらね?」
合宿も夏休みも終わり、またいつもの日々が戻ってきたある日。
殆ど電気の消えたフロアで、二人残業していると、そろそろ終わりに近くなったのか壱人が声を掛けてくる。
元気なやつだなと思いつつ、まあ金曜日だし、俺ももう終わりそうだし。
「別にいいけど」
「おっしゃ、楽斗の奢りな!」