本気の恋を、教えてやるよ。
立木さんは、僅かに目を伏せた私を気にもせず続けた。
「単刀直入に言うわ。慶太と別れて欲しいの」
……だよね。予想はついてたけど、びっくりするほど予想通り。
こんな風に相手の女の子から別れを迫られるのも、何度目だったかなと自嘲する。
「どうしてですか?」
はいともいいえとも言わず問えば、立木さんは気分を害したように眉間に皺を作った。
「どうしてってそんなの、私が慶太の恋人になりたいからよ」
当たり前でしょう、とでも言うかのように吐き捨てる立木さん。
「……嫌です、って言ったら?」
訊ねると、涼やかな目元が不機嫌を顕に細められ、その迫力に思わずたじろぐ。美人は怒ると怖い。
ドキドキと嫌な鼓動を耳の奥で聞きながら、慶太ってほんと面食い、と目の前の立木さんを見て思う。
慶太の浮気相手っていつも綺麗な人ばっかりなんだよね……だから余計、なんで私と別れないんだろうって不思議で仕方ない。