本気の恋を、教えてやるよ。



その日の仕事終わり。


今日も慶太と帰ると言う私に、気に食わなそうな顔をしながらも梓ちゃんが先に帰り。


会社を出たところで、邪魔にならないように端に寄りながら慶太を待っていた。


今日は慶太も定時で上がれたみたいだけど、下に降りようとしたところで上の人に捕まってしまい、少し遅れると連絡が入っていた。


でも、そろそろ来るかな……と腕時計を確認してから、顔を上げると──駒澤くんが居た。


会社に向かって歩いてきてた彼は、私の視線に気がついたのか顔を上げ、少しだけ目を丸くした後で、すぐに真顔に戻りそのまま近付いてくる。


「……お疲れ」

「お、お疲れ様。駒澤くんは、外出してたの?」


目の前で立ち止まった駒澤くんに声を掛けられ、心音が微かに早くなる。


「そう。これからもうちょい仕事」

「そっか、大変だね……」


あんまり無理しないでね。そう言おうとした時。



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