本気の恋を、教えてやるよ。
不思議に思いゆっくりと目を開くと、陶器のような肌に一筋の涙を落とし、立木さんが震えていた。
「なんで避けないの……」
「……立木さ、」
「なんで、こんな負けた気持ちになるのよ……」
呼ぼうとした声は、苦しそうな声に遮られてしまう。
何を言えばいいかわからなくて口を閉ざす私を、立木さんは真っ赤に充血した目で捉えた。
それから、頬に残る涙の跡を消すように擦り、唇を歪める。
「なんだか、私が一人で怒って、空回って、バカみたい」
はあ、とため息をついた立木さんが財布から千円札を取り出し、机に置く。
そのまま立ち上がってしまうので、戸惑って見上げると困ったように眉を下げられた。
「……ご飯なんて食べる気分じゃないの。わかるでしょ?」
「……立木さん」
「私が言えたことじゃないけど、あなた、もう少し自分のこと大切にしたら?」
立木さんはそう言うと、そのままお店を出ていってしまった。