本気の恋を、教えてやるよ。



「係が無くなるわけじゃないけど、多分二人きりで活動するのは今日と当日で終わりかな」

「そっか」


頑張れ、となんでもないように笑った駒澤くん。


……ねえ、だけど私、知ってるよ?

駒澤くんが今、すごくホッとした顔をしたこと。それを誤魔化そうとしたことも、分かってるよ。


きっと駒澤くんは私のことを想って、慶太と何かと関わってしまう私を責めたりはしない。


駒澤くんは、優しいから。


だからその優しさに甘えてしまう。


駒澤くんが私に悟られたくないと気持ちを誤魔化すのなら、私はそれに応えて知らないふりをしてあげよう。


──それが私に出来る、精一杯の恩返し。


「今日はきっと遅くなるから、先に帰っててもいいよ?」

「……いや、待ってる」


つか、待たせてよ。と笑う駒澤くん。


前まではそんな彼の行動や言動一つ一つに胸がキュンと高鳴っていたのに、今では申し訳なさの方が勝ってしまう。



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