本気の恋を、教えてやるよ。



分かっていたはずの返答なのに、痛むのは私の胸。


当たり前じゃん。

無理に決まってるよ。


「あ、はは……そうだよね、ごめんね。私何言って──」


傷ついたことを悟られないように、誤魔化そうと、バカなこと言ってごめんねと笑おうとした。


だけど。


笑うために口角を中途半端に上げた状態で、私の表情は固まってしまう。


私のことを包み込む、暖かい温もりに。

酷く懐かしい、その匂いに。


思考ごと全部、絡め取られて。


「今更友達とか……やっぱ、無理」


二人きりの会議室で、私は慶太に抱きしめられていた。


状況が理解出来ず、ぐるぐると目眩がする。


「つ、筒──」

「やっぱり慶太って呼んで。茉莉」

「え?」


だって、名前で呼ぶなと言ったのはそっちなのに。


矛盾してるよ、慶太。


「こんなに苦しい思いするなら、見栄なんか張らないで茉莉のこと、手放さなければ良かった。結局俺は、俺の幸せが大切で、」

「ちょっと、……慶太?」



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