角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

先輩の腕の中に閉じ込められる。

まるで、逃げることを許さないみたいに、ぎゅっと抱きしめられる。


「でも、そうしたらクラスメイトと話せなくなっちゃうんじゃ……」

「そうしてよ。つーか、そうしろ。他のやつと話なんかしなくていい。他のやつ見てないで、俺だけを見てよ。俺でいっぱいにしてよ」


先輩の腕の中で、耳元で、甘い言葉を囁かれる。


「あの、ちょっと、せんぱい……」


慌てて、目を下げる。


待って、これはやばい……。
私の胸、すごくどきどき鳴ってる。


「目、逸らすのなし」


先輩の手が頬を添えて、グイッと持ち上げるから、至近距離で見つめられて。


「ちゃんと俺のこと見て、瑠衣。もっとその目で俺のこと焼き付けて」

「あの、せんぱ……」

「1秒だって目逸らすの許してあげない」


綺麗な瞳で捉えられて、逃げられない。

逃げたいのに、それを許さない先輩の瞳。


「瑠衣の視界を全て俺でいっぱいにしてよ」


そう言ったあと、先輩がゆっくりと近づいてくるから、私はどきどきが止まらなくなる。
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