角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

「は? 瑠衣、なに急に」


ポカンと固まる先輩は、突然謝る私に困惑しているようで。


「分からないまま謝られてもさらに怒られるのかもしれないけど、でも私……先輩と喧嘩したくないです」


私が悪いなら、私が謝るしかない。

それで先輩が許してくれるなら。


「悪かった」


いきなり先輩が、私の肩を引き寄せる。


──どきっ。


「瑠衣に怒ってたわけじゃない」


ぴったりと密着する身体にどきどきが止まらない。


「瑠衣が俺以外の男としゃべってんの見て、それがおもしろくなかったから嫉妬した」


へ……?


「……嫉妬?」


どうして、私なんかに……


「俺以外の男が瑠衣のそばにいるのは、嫌なんだよ」

「で、でも、日向くんはクラスメイトで……」


私がしゃべろうとすると、先輩はさらにグイッと肩を引き寄せて、


「クラスメイトだろうがなんだろうが嫌なんだよ。瑠衣の隣にいていいのは、俺だけ。それ以外は許さない」
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