角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

「瑠衣どした?」


先輩の腕の中で固まる私に声をかける先輩。

その声を聞いて、胸がギュッとなる。


……私、そうなんだ。先輩のこと……好きなんだ。


少し前につばきちゃんが言っていた言葉を思い出す。


“恋はするものじゃなくて、落ちるもの”


私……少しずつ先輩のこと好きになっていってたんだ。


「えへへ……っ」


自分の気持ちに気づけた嬉しさのあまり、思わず笑ってしまった。


「なに笑ってんの、瑠衣。ちゃんと説明して」


抱きしめている腕を緩めると、お互い見合わせる形になる。


どきどきして恥ずかしいのに、すごく嬉しくて。

不思議な気持ち。


「今はまだ……言えませんっ」


まだ気持ちに気づいて数秒しか経っていない。

だから、少しだけ時間がほしいの。

この気持ちを大切にしたいから。
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