角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

「瑠衣さえ手に入るなら、俺は地位だって名誉だって捨ててやる。それだけ俺、覚悟してるから」


先輩は、私のことなんて好きじゃない。

だって……先輩に好きって言われたことないもん。


先輩はいつも、どういうつもりでそんなことを言うのか分からない。


「あとは、瑠衣の心が俺に向いてくれるかどうか」

「……こころ？」

「そ。瑠衣の真ん中を占めてる心。その心が俺はほしい」


なんでそんなこと……言うの。

まるでそれ……好きって言ってほしいみたいな言葉に聞こえちゃう。

でも、先輩にとって私はただの後輩じゃないのかな。


私……そんなの嫌だよ。ちゃんと本気になってもらいたい……。


「……え……」


私、今のなに。

ちゃんと本気になってもらいたい、って。


それってまるで私も先輩のこと好きって言ってるみたいだけど──…


…………私、先輩のこと好きなの？


「うそ……」


じゃあ……今まで先輩にどきどきしてたのも、先輩に会えて嬉しいのも、一緒にいる時間が楽しいのも……

ぜんぶぜんぶ、先輩のことが好きだったから？